• 3010月
    Categories: 日常 Comments: 2

     朝6時起き。そこまで早起きをする必要は特に無かったのだけれど、出かける前に朝のうちに税金の払い込みをしなければいけなかったので。朝食を食べて自転車に飛び乗って銀行、過去の滞納した誓約分の税金と国民保険を払い、新しい通帳に替えてもらった。税金のほうはこれで完済。そのあとはバスで中央区まで。いつも車だから、久しぶりのバスだった。桑名というラーメン屋に入ったのだけれど、これで700円台は高いという味だった。スープはくどいし、麺もいまいち、量も少なかった。従業員も私語喋りまくり、入り口のドアが開けっ放しなので店内には冷たい風が吹きまくり、店内の奥のほうで食べたのだけれどほとんど身体が温まる事も無かった。そのあとはまだ開演に時間があったので、ステラプレイスや大丸でミリタリー系のモッズコートを探したのだけれど、良いものは見つからず、やっぱり私はパルコ派だなあと思った。久しぶりにアピアのほうも歩いてみたら、知らない飲食店が結構あった。平日なのに、人が多すぎ、久しぶりの中心部だったので、人に酔った。

     それから札幌駅北口から北上、ほどなくして、ひっそりした看板がたたずむ蠍座と言う映画館へ。札幌に移り住んで8年、映画好きであるはずなのに、初めて訪れる。地下へ降りると、チラシが何枚か置いてあり、今回の目的である『ロルナの祈り』の他に、『レスラー』『グラン・トリノ』などのチラシを取る。ロビーに入って入場料800円を払い(安い!)、ちょっとした喫茶コーナーがあったのでそこに入って、私はコーヒー、彼は紅茶をオーダー。店員さんに淹れてもらったものを受け取ると、受け皿にチョコとクッキーがちょこんと乗っていた。蠍座通信というパンフを読みながら、開演まで待つ。5分前になり中へ入ると、こじんまりとした空間、たぶんシアターキノクラス。すべてが、静かで、こじんまり、こじんまりとしている。でも嫌いではない、寧ろ好きな感じ。中は座席数50ほどで、観客は私たちの他に十人ほど、年齢層は比較的高めだったと思う。大分前の列のほうに行って腰を下ろすと、とても座り心地のよい席だった!ゆったりとしていて、そのままいつまでも沈み込んでいられそう。終演までの時間、お尻や腰が痛くなることはまずなかった。あれだけ座り心地のよかった映画館は初めてだ。アメリカンな雰囲気のフロンティアやユナイテッドシネマのあの賑やかな雰囲気も好きだけど、こういう単発系の映画館も好きだなあと思う。

     肝心の映画の感想。以下ネタばれ、注意。

     今までのダルデンヌ兄弟の映画とは、なんとなく違った印象だった。登場人物たちは比較的よく喋っていたし、音楽も入っていた(店内で流れるBGMや、ダンスシーンなど)。特に終盤、ロルナが良く呟いていて、ほとんど会話も音楽もなかった今までのダルデンヌ映画と比べると、それがなんだか説明的過ぎるような気がしないでもなかった。だらだらと間延びしている感もあった。それでも、ロルナの偽装結婚の相手、ベルギー人の麻薬中毒者の青年クローディが良い。本気で麻薬を止めようとロルナに助けを求めすがりつく(文字通り、体にすがりつく)という、男としてはまったく情けない姿が、すごく良い。国籍取得が目的とはいえ、最初はなんとも思っていなかった「夫」にあそこまですがりつかれ、求められたら、ああ、このだめだめヤク中をなんとかしてあげたいと母性のような、愛情のようなものが私にも芽生えるのかもしれない。

     しかし、クローディが死んでしまうところがいきなり唐突。死ぬところはまったく映らず、いきなりの場面転換で、一瞬置いてきぼりを食らってしまった。でもその優しくない描写が嫌いじゃない。クローディが死んでしまった後、クローディの子を妊娠したと思い込んでしまうロルナが切なくて良い。お医者に、「エコー検査をしても妊娠の傾向はかけらも無いんですよ」と言われても、頑なに妊娠を信じている。なんだかとても切ない。ところで、ロルナの真の恋人である、この男もやばそうな仕事を色々としているらしいのだけれど、ロルナの会話との中で「今度は原子炉で働くんだ。1分1000ユーロだ」と言う台詞があり、ちょっと調べてみたら、現在のところ1ユーロ約134円、つまりは1分で13万円のお仕事なのだ。被爆確実の仕事ということ、これには驚き。たぶん、自分は死んでもいいから、自分の家族のために高額な金を稼ぎたいって人には格好の仕事なのだろうな。ダルデンヌの映画は社会の底辺に生きる人々を撮ってきているけれど、こういう怖い言葉をさらりと人物に言わせるので、ああ怖いなあと思う。

     また同監督の『息子のまなざし』が観たくなって来た。気に入った映画は何度でも観る私も、さすがに一度しか観ず、それでも傑作だと今でも信じて疑わない映画。また機会があれば観よう!ちなみにまだ観たことのない人は、一切事前に情報を仕入れずに観た方が、より楽しめる。

     ただいま、残り少なくなった自家製梅酒を飲みながら、この前燻した燻製タマゴを堪能中。こんなに美味しい物を味わえるなんて、私は世界一の幸せ者だ。

2 Responses

WP_Floristica
  • Says:

    はじめまして、昔からよく見させてもらってます。

    蠍座がとても懐かしくて思わず、コメントをしてしまいました。
    今は東京に住んでるんですが、6年くらい前に予備校に通っていた時に蠍座の近くに住んでいて、800円という安さに何度もお世話になっていました。

    東京でもよく映画を見ていますが、ああいう本当に映画が好きでやってる映画館なんだなぁ、と感じるミニシアターはあまりないですね。

  • 山本 葵 Says:

    初めまして、鳥さん。昔からですか。凄く嬉しいです。ありがとう。

    蠍座、本当に良かったです。しかも安いですよねえ。
    1日でもなく、レディースデーでもなく、ファーストでもレイトでもなく普通に観たら、
    1800円でしょう。もう少し安くしてくれれば、映画館で気軽に観ようという気になるのに。
    それにしても、自分が気に入った映画しか上映しないというスタンスがいいなあと思います。
    また気になる映画があったら、ぜひ観にいきたいです。

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